自動車事故と保険

自動車事故の法律上の責任

自動車事故を起こすと、道義的な責任はもちろん、以下の法律上の責任を負うこととなります。
1.民事上の責任
加害者は、被害者の損害を賠償しなければならないことが、民法や自賠法などに規定されています。
(1)民法709条:加害者本人の直接の不法行為者としての不法行為責任
(2)民法715条:業務中の事故の場合、使用者が問われる使用者責任
(3)自賠法3条:人身事故の場合、その車両を支配し、利益を得ていると認められるものが問われる運行供用者責任

 

2.刑事上の責任
加害者の反社会的行為に対して、刑罰により制裁が加えられるという刑事上の責任です。
・刑法211条:人を負傷・死亡させた場合(業務上過失致死傷)
・道路交通法:建造物損壊、救護義務違反、酒酔い運転等
などがこれにあたり、禁固・懲役等の刑罰が科せられます

 

3.行政処分
管轄の都道府県の公安委員会により、運転免許取り消し・停止などの行政処分がなされます。

法律上の責任ケーススタディ

では、いくつかのケースで、法律上の責任についてみてみましょう。

 

「整備工場に車検で車を出していたら、整備工場の従業員が運転中に人身事故を起こした。この場合、車両所有者である自分にも賠償責任があるか?」

自動車を整備工場に委託した目的は修理であり、この場合、運行利益も運行支配もないため、賠償責任はありません。
つまり、いくら自賠法上で運行供用者責任があるとはいっても、
運行利益や運行支配がなければ、法律上の責任を問われることはないということです。
なお、付け加えておくと、この場合、あなたが契約している任意保険も使えません。
というのは、自動車の取扱いを業としている整備工場棟は、被保険者にならないからです。

「会社の車を、従業員が終業後に勝手に持ち出して運転中、人身事故を起こした。この場合、会社も責任を問われるか?」

問われます。被害者に対する賠償責任があります。
「マイカーでの通勤途中で人身事故を起こしてしまった。会社にも法律上の責任があるか?」
通勤途中の私有車の事故は、原則、会社の運行支配、運行利益はないとして、会社の運行供用者責任はないとされています。
しかし、その私有車が、業務に使用されている場合は、会社も運行供用者責任をまぬがれないケースが多いです。

 

交通事故は似たケースがたくさんありますが、
似ているからと言って、結論も必ず同じになるかといえば、そうではありません。
ちょっとした条件の違いによって、判断が変わってくるからです。

 

交通事故に遭ったら、後々トラブルになることを避ける意味でも、まず、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。
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